万能な基本動詞 get のよりネイティブらしい使い方

英文法
スポンサーリンク

単に「得る」以外にもいろいろな意味に捉えられる get。根底には「動き」と「手に入れる」イメージがあります。インフォーマルな場では特に、get はより幅広い表現に用いられます。考えた文が単調で困ったときは、万能な基本動詞 get を使うことで、よりネイティブのように自然で、動きのあるいきいきした表現にできるかもしれません。ここでは様々な get の使い方を、具体的な例をまじえて紹介していきます。

さまざまな意味の「手に入れる」

買うこと、獲得すること、何かを受け取ること、それから理解することなど、すべて get というひとつの動詞で表現できます。

  • Where did you get your new jacket? (どこで買ったの)
  • Can you get me a cup of coffee? (コーヒーもってきて)
  • He got a letter from her yesterday. (手紙をもらった)
  • I don’t get it. (分からない)

最後の例のように「理解する」「分かる」ということさえ表現できてしまいます。この使い方は見慣れないと少し不思議に感じるかもしれませんが、「情報を頭で受け取る」というふうにとらえればしっくりくるのではないでしょうか。

状態を変化させる、何かが起きるようにする

単に「手に入れる」だけでなく、ある状態を変化させる、何かが起きるようにする、というときにも get は使われます。例えば、何かを終わらせる、何かをしてもらう、どこかに到着する、といった表現です。

  • I have to get this task done in the morning. (午前中に終わらせないといけない)
  • I got my son to help me with chores. (息子に手伝ってもらった)
  • I’ll get there on time. (時間通りにそこへ着くよ)
  • Get ready in 40 seconds. (40秒で支度しな)

状況の変化を表現する

Get は「日が暮れて辺りが暗くなってきた」とか「誰かが怒りはじめた」といった、人や物事の状態が変化する様子を表現するときにも使われます。

  • It’s getting dark. (暗くなってきた)
  • He got angry. (怒った)
  • The situation is getting worse. (状況は悪くなる一方だ)

受動態として

Be 動詞や get、have を使った受動態 でも紹介している通り、受け身の be 動詞の代わりに get を用いることができます。Get は be 動詞と比べて動きを強調するニュアンスがあるようです。

  • I got promoted. (昇進したよ)
  • They got married. (結婚したよ)

「始める」「始めよう」といった意味で使われる “getting started” も、同じ使い方であることが分かりますね。「道に迷った」「迷子になった」という意味の “got lost” も同様です。ただし受動態でも、like や know のような心の中の動きを表現する動作には使えないことに注意しましょう。

Have と have got の関係

Have got は have と同じ意味で使うことができます。次の例は、どちらも got 無しでも通じる文ですね。

  • I’ve got a headache. (頭いたい)
  • I’ve got an idea. (ひらめいた)
  • She’s got a bright future. (明るい未来がある)

また、「しなければ」の have to も have got to (gotta) と言うことができます。

had better / have got to - 「したほうが」「しなければ」の表現
should や must、have to などを用いた「したほうがいい」や「しなければならない」をはじめ、「するしかない」「したほうがよかった」などの英語での微妙な使い分けを把握しましょう。must / have to: しなければならないmust も have to も「しなければならない」ことを表現します。have to の方がより一般的で、must はルールや指示などを文書で示す際に特に用いられます。"have to" の代わりに "have got to" ...

get を使った句動詞などのフレーズ

句動詞とは “get up” や “get along with” のように 動詞 + 副詞 または 動詞 (+ 副詞) + 前置詞 で構成される定型のフレーズです。句動詞を苦手とする人は多いと思いますが、ネイティブの使う英語に頻出するフレーズは覚えておきたいものです。

get on / get off

“get on” は電車やバス、飛行機などに乗ること、物事を続ける/進める/始めることなどを意味します。後者の場合は自動詞的な用法に限られます。

  • We couldn’t get on the train because it was full. (電車が満員で乗れなかった)
  • Let’s get on with this task after a recess. (一休みしてからこのタスクにとりかかろう)

一方 “get off” は電車やバス、飛行機などから降りること、一日の仕事を終えること、郵便などを送ることを意味するほか、誰かに何かを触るのをやめるよう言ったり、誰かに何かを引き離すように言う場合などに使われます。全体を通して、何かから何かを解放するイメージがあるように見えますね。

  • Let’s get off at the next station. (次の駅で降りよう)
  • I got off (from) work earlier than usual yesterday. (昨日はいつもより早く仕事を終えた)
  • I have to get my application form off today. (申請書を今日出さないといけない)
  • Get off the dry ice! (ドライアイスから手を離して!)
  • Could you get your spider off me? (蜘蛛を私から離してくれない?)

get by

“get by” には、難しい状況でうまく切り抜ける、なんとか生きていくといった意味があります。

  • They get by on very little money every month. (毎月とても少ないお金で生きる)
  • I need to get by without health insurance this year. (今年は健康保険なしでやっていかなくては)

get along with

“get along” で仲良くやる、うまく事を運ばせるといった意味になります。

  • Alice and Bob don’t get along. (アリスとボブは仲良くない)
  • Does he get along with his boss? (上司と仲良い?)
  • How are you getting along with the task? (そのタスクはうまくいってる?)

get in / get out

“get in” で電車や飛行機などが目的地へ到着すること、何かの中に入ること、また、選挙で選ばれることなどを意味します。

  • Our flight will get in on time. (時間通りに到着するだろう)
  • I accidentally got in the wrong car. (間違った車に乗っちゃった)

“get out” は誰かを出て行かせることを意味したり、誰かに出ていくよう言う際に使われます。また、アメリカでは「信じられない!」という驚きの表現にも用いられます。

  • Get out of here! (出てけ!)
  • Get him out of my house. (彼を家から追い出せ)

get away

“get away” である場所や人物から逃げることを意味します。

  • The dog wouldn’t stop barking, so I had to get away from there. (犬が吠えるのをやめないので逃げなければならなかった)

get back

“get back from/to” である場所に、またはある場所から戻ることを意味します。また、”get back” は失ったものを取り戻すことなども意味します。

  • What time did he get back from work? (何時に仕事から返ってきた?)
  • Let’s get back to work. (仕事に戻ろう)
  • Hopefully, you can get your wallet back at Lost and Found. (うまくいけば落とし物センターで取り戻せる…)

参考

タイトルとURLをコピーしました