「いっぱい」「ちょっと」に使える表現方法は名詞が数えられるかどうかによって変わります。また、同じ few を使った文でも only a few を quite a few にするだけで「ちょっと」だった意味が「いっぱい」と真逆になってしまったりします。これらの単語やフレーズを使い分ける方法をひとつずつ見ていきましょう。
数えられる名詞か、数えられない名詞か
金額や液体のように量で表わされるような数えられない名詞には much / little、ひとつふたつと数えられる名詞には many / few を使って多い/少ないを表現します。
- How much is sales tax in Japan? (金額: 消費税はいくら?)
- How many people in the park? (人数: 何人いる?)
- Few people survived the collapse of the building. (人数: 助かったのはわずか/ほとんどいない)
また、 a lot of / lots of / plenty of は数えられる/数えられないどちらの場合にも使えます。Plenty of には “more than enough”、つまり「二十分に、ありあまるほどにある」といった意味があります。
- Farming consumes lots of water. (たくさんの水)
- He has a lot of money. (たくさんのお金)
- There are a lot of children in the park. (たくさんの子供たち)
- There is plenty of room for luggage. (ありあまるスペース)
年月日や時分秒には many / few を使います。
- The machine stopped working many years ago.
- The letter will arrive in a few days.
- Usually, the interview process takes a few weeks.
不定冠詞の有無によってポジティブ/ネガティブになる
“few people” と “a few people” にはどういった意味の違いがあるのでしょうか?
Little や few を単体 (無冠詞) で使うと、「わずか」「〜しか」「ほとんどない」などのネガティブな意味合いをもたせることになります。別の言い方をすれば、少なさを強調するニュアンスがつきます。
- He speaks little English, so we might need an interpreter. (あんまり話せない)
- The project has few issues. (課題はほとんどない)
一方、a little / a few と冠詞をつけると、「少しある」「いくらかある」といったよりポジティブな意味合いになります。つまり、少ししか… という少なさの強調ではなくなります。
- He speaks a little English, so we should able to communicate with him. (少し話せる)
- The project has a few issues. We might have to discuss them. (いくつか課題があるから…)
Only a few (little) / Quite a few (little)
Little や few がついていれば、常に「少ない」と解釈していいものなのでしょうか? 実は、必ずしもそうとは言い切れません。
「総合英語 Forest」によると、前に only がつくか、 quite がつくかで全く違う意味の文ができあがます。”only a few” や “only a little” は「ほんのちょっとだけ」を意味する一方で、 “quite a few” や “quite a little” とすると、正反対の「かなりたくさん」といった意味になるとあります。
一方、上記とは少し異なった説明をしているソースもあります。「一億人の英文法」によると、この quite は「割に」であり、”quite a few” は「割に多くの」と説明されています。さらに、Wiktionary の説明 を見てもこちらの解釈の方が近いようです。
An indefinite and somewhat large number; more than a few; a fair number of.
また、以下の Stack Exchange に投稿された回答 などによると、quite a few は「想像よりも多い」という意味合いがあるようです。
Quite a few expresses that the speaker was impressed or astonished by the number, as they would have expected less. Or the speaker wants to emphasize on the fact that it was “more than you would think”.
つまり、quite が表現する多さというのは割合が決まっているものではなく、会話の文脈から想像されるよりも割と多いことを示すことに使われると考えられます。2つの例を見てみましょう。
- There are only a few books in this library.
- There is only a little information there.
これら例文の only を quite に置き換えてみましょう。「ほんの少し本がある」が「(想像よりも) 割に多くの本がある」といった意外性/驚きを含んだ意味に変わります。
- There are quite a few books in this library.
- There is quite a little information there.
参考
- Grammar in Use Intermediate Student’s Book 3rd edition UNIT 85
- 総合英語 Forest 7th edition p.537
- 一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 p.194
- https://en.wiktionary.org/wiki/quite_a_few
- https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/quite-a-little
- https://english.stackexchange.com/a/4087
- https://www.grammarly.com/blog/few-a-few/