Will の過去形である would には推測や意志、意向、依頼など様々な使い方があります。ここでは would の使いどころ、will との違いにフォーカスしてまとめてみます。
(まだ) 現実になっていない物事の推測
Would はその時点でまだ確定していない架空の状況や行動をイメージするとき、また、 will よりも確信の度合いが低い推測に使われます。したがって、文に過去形の would が使われているというだけで過去の話をしていると判断することはできません。
- It would be nice to buy a house, but we can’t afford it. (もしも家を買えたらいいけど、僕らには無理)
- This one would be the best solution. (たぶん最高の解決策になるだろう)
- What should I do? What would you do? (私はどうすればいい? あなたならどうする?)
最初の例では、would は過去でなく話し手の「買いたい (けど買えない)」という意思と状況を表現しています。
過去の推測のことを話すには “would have done”
それでは過去の時点のことについて would を使って表現したい場合はどうすればいいのでしょうか。(現在ではなく) 過去の時点でイメージしていた状況や行動を表現するには、”would have done” のように完了形を使うことになります。
- He was sick. He would not have come to the party anyway. (来なかっただろう)
- I would have called Claire if I had had her phone number. (電話していただろう)
refused としての wouldn’t
例えば “She wouldn’t do it.” は “She refused to do it.” という意味になります。「しなかった」「しようとしなかった」というような、過去に行動を拒否したという事の表現 wouldn’t が使えるということです。
- I tried to explain, but my father wouldn’t listen to me. (父は話を聞こうとしなかった)
頑として話を聞こうとしない父親の意志が伝わってきますね。
“used to” としての would
過去に行なっていたことについて 次のように would を用いて “used to …” の「… したものだ」「…だったものだ」のような表現ができます。
- Whenever I couldn’t sleep, I would drink some hot chocolate. (眠れないときはいつもホットチョコレートを飲んだ)
- My grandfather would often take me to the shore in the mornings. (おじいちゃんはよく朝に海岸へ連れて行ってくれた)
“would” と “used to” との間にはどのような違いがあるのでしょう。Will の過去形である would には、精神の活動のようなもの、より具体的には主語の意志が感じられます。
「…したい」を表わす “I would like/love to …”
“I want to …” の婉曲的な表現として “I would like to …” や “I would love to …” がよく使われます。口語では “I’d like to …” などと would を省略して使われることも多いです。
- I’d like to have a word with you. (ちょっと話したい)
- I’d love to do that. (ぜひやりたい)
依頼の丁寧な言い周しとしての would
Would you mind …? – ていねいな依頼や提案、許可を求める表現 でも触れている通り、時間的な距離感で丁寧さを表現できます。
- Would you lend me that book?
上の例で would の代わりに will を使っても間違ってはいません。ただし、過去形である would を使うことで、より距離を置いた丁寧な言い回しになるのです。
will の使い方
Will を含めた未来の表現方法についてはこちらでまとめています:
参考
- Grammar in Use Intermediate Student’s Book 3rd edition UNIT 34
- 総合英語 Forest 7th edition p.121, p.123, p.124
- 英単語イメージハンドブック p.103, p.128
- 一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 p.366