毎日の限られた時間でもっと英語に触れるための7つの実践

学習法
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仕事や勉強で忙しい毎日、英語以外にもやることは山積しています。とはいえ英語の習得には実践の積み重ねが欠かせないことは、英語学習の経験が長い人ほど実感するところではないでしょうか。限られた時間のなかで、もっと英語に触れる機会を確保するにはどうすればいいでしょうか。たとえ机に向かってやる英語学習は1日あたりほんの20分でも、通勤や移動などのちょっとした隙間時間を有効に活用することで、トータルで2時間以上は英語環境にいるということも実は不可能ではありません。ここでは、日本にいながらなるべく実践的な英語環境を作るための現実的な tips を紹介します。

5分: OS/ブラウザ/検索エンジンの言語設定は英語に

スマホやPCの言語設定を英語にすることで、ちょっとした単語や言い回しなどを知る機会が増えます。ここでぜひ忘れないようにしたいのは、ブラウザの設定と、検索エンジンの言語設定もしておくことです。これらを英語に設定しておくことで、多くのサイトで優先的に英語ページが表示されるようになりますし、検索エンジンで表示される結果も英語のコンテンツが多くなります。結果的に日本語ページを訪問することがあったとしても、これで少なくとも1日あたり5分くらいは英語に触れる時間が増えているはずです。

20分: 英語で調べものをしてみる

前述のとおり、ブラウザや検索エンジンの設定を英語にすることで、検索結果には自然と英語コンテンツの割合が増えます。できればこのまま英語のページへ進み、勉強や仕事で調べたいことの答えを見つけてみましょう。無理に英語縛りを続けてもつらいだけですので、たとえば時間を決めて、5分読んでも難しければあきらめて今まで通り日本語のコンテンツをあたるというのもいいでしょう。

英語で調べものをする際には English speaker になりきってやってみましょう。インチをセンチメートルに変換したい? “40 inches in cm” で検索してみましょう。英語での分数の読み方が分からない? “how to read fractions” といったキーワードで探すと、子供向け/ESL向けのコンテンツが何かひっかかるかもしれません。他にも、次のように検索方法のパターンを決めてしまえば習慣にしやすいです。

目的 検索パターン 検索キーワード例
用語の意味が知りたい XXX meaning または XXX definition “virtus meaning” “virtus definition”
類語を知りたい XXX synonym “reputation synonym”
反意語を知りたい XXX antonym “discreet antonym”
単語に対する一般的なイメージを掴みたい 単語をイメージ検索する
ある語が何の略か知りたい XXX stands for “GAFA stands for”
何かをする方法を調べる how to XXX “how to calm down”
似ているものを比較する differences between X and Y “differences between cold and flu”
メリットデメリットの比較 XXX vs. YYY “PS4 vs Xbox 360”

英語に触れる時間を増やす手段は、スキマ時間を使う以外にもあります。もともと日本語でやっていたことを英語で置き換えるというのがその方法のひとつです。スキマ時間を「作る」と言ってもいいかもしれません。慣れないと英語だけでは心細いかもしれませんが、やってみたら意外と理解できたりするものです。本来やるべき勉強や仕事にあまり影響が出ない範囲で挑戦してみてはいかがでしょうか。

5分: 単語の意味を調べるときは英英辞典を使う

英英辞典とは、英単語の意味の説明が英語で書かれている辞書で、難しい単語の説明がより簡単な単語や言い換えによって説明されています。もし既にある程度英文を読めるレベルならば、試しに英和辞典から英英辞典に切り替えてみるいい時期かもしれません。これによって、単語の意味を確認する時間はまるごとリーディングの時間になります。英和辞典と比べて意味やニュアンスを直接英語で知ることができるため、日本語への翻訳で情報が落ちてしまう可能性を無くせるという嬉しい副作用も見込めます。

辞典と言っても、物理的な本を買う必要はありません。選択した単語を英英辞典で引いた結果をポップアップで表示してくれるブラウザ拡張をインストールしたり、電子書籍の辞書を英英辞典に切り替えたりすれば大抵はこと足ります。

20分: 英語の学習に英語で書かれた教材を使う

座って机に向かう時間は本を開いてゆっくり勉強できる貴重な時間です。せっかくテキストをベースに学習を進めるなら、Grammar in Use のような英語で書かれたテキストにも挑戦してみましょう。英語で英語を学ぶことで、より濃い学習時間を過ごせるでしょう。具体的な方法や教材については 英語を英語で学ぶ方法 – Grammar in Use をはじめとした英語教材を使った学習 で詳しく紹介しています。

英語を英語で学ぶ方法 - Grammar in Use をはじめとした英語教材を使った学習
基本的な英文法をある程度使えるようになると、英語を英語で学ぶということが可能になります。例えば洋書を英語の教材として使うということがひとつの選択肢となりえます。そうすることで、実践として英語を使うことになりますし、より英語に触れる時間を増やすことにもなります。また、英語で書かれた説明も読めるということは、それまで利用できなかった多くの英語コンテンツからも学習できるということです。学習の幅がいっそう広がりますね。ここでは、日本語という制限を取り払った学習方法として、いくつかの洋...

10分: 1分以上のスキマ時間を見つけたら単語を復習/暗記

Anki などの高機能な単語帳アプリを使うことで、数分のスキマ時間をボキャビルの時間にできます。待ち合わせ、電車の乗り換え、トイレに座っている短かい時間、寝る前のちょっとした時間。塵もも積もれば10分くらいにはなります。10分もあれば、個人差はありますが50個程度は単語を復習できるでしょう。毎日続ければ確実に語彙が充実していきます。語彙を高めるために地道にSVLの12000語を覚えてもいいですし、日々出てくる知らない単語を復習するために使ってもいいでしょう。

知っている単語が増えればそれだけ読書も捗るので楽しいです。読書のときに見つけた知らない単語を普段からリストとして残しておくようにしておけば、それを元に単語帳データを作成し、スマホやPCでいつでも復習できるようになります。ただ、データを手で作成するのは大変です。Gonta のようなツールを使えば、単語のリストを元に Anki で使える単語帳を簡単に作成できます。

語彙と読書、ボキャビルについては次の記事でも紹介しています:

どれだけ語彙を広げれば洋書が楽に読めるのか
英語を使いこなすには、やはり実際に文を組み立てたり読解するスキルが重要です。それを強化するには、文法の知識を身につけたうえで実際に何度も読み書き (聴く話す) を繰り返す実践が欠かせないというのは、多くの英語学習者が認めるところではないかと思います。文を組み立てる練習の例としては、1センテンスの作文をドリル形式で何度も行なう 瞬間英作文 が挙げられます。文の読解には、児童書など簡単な文を大量に読む 多読 が役立つと言われます。筆者の感覚としても、多読は文章を瞬時に読み解く力を...

ボキャビルに限らず、こういったスキマ時間は色んなタイミングで訪れますから、スマホを使ってすぐにできることを普段から準備しておくと良いでしょう。

30分: 通勤中などの移動時間は気になるあの本の原著を読もう

電子書籍の普及によって、洋書を購入するハードルがぐっと下がりました。今ではたくさんの洋書が電子書籍で購入できます。通勤時間や仕事の前後を読書の時間にあてている人は多いと思います。もし普段から翻訳本を読むことが多いなら、次の読書は原著に挑戦するのはいかがでしょうか。今まで読んだ本の原著を改めて読むというのもいいでしょう。大切なのは、日本語の本と同じような理解度を期待しないことです。さくさく読んで、大意をつかめればよしとしましょう。

ここでも、可能であれば辞書の設定には英英辞典を使うと効果的です。電子書籍リーダーはスマホアプリ利用でも問題ないですが、おすすめは E Ink のような読みやすいディスプレイを搭載した専用の端末 (例えば Amazon の Kindle Paperwhite) を利用することです。

電車やバスの中では本を広げられますが、歩いている時間はそうもいきません。とはいえ、毎日その時間は歩くこと以外にすることがないというのももったいない話です。そういった状況では耳を使った学習を進めることができます。例えば、今まで読んだ洋書をオーディオブックでおさらいしたり、NHKのラジオ英会話を消化する時間にできます。可能であれば、慣れてきたところで1.5倍速にして、短かい時間でより多くインプットできるように挑戦してみましょう。

読みたい本がないときは、日本の漫画を英語で読んでみるのも良いかもしれません。

英語版の漫画で多読をすることの利点と注意点 + おすすめタイトル6選
日本の人気コミックの多くは英語にも翻訳されています。これらを英語多読に用いることはできるでしょうか? 漫画以外の書籍とは若干勝手が異なり、手放しでおすすめできるわけではありませんが、コミックにはコミックの利点もあります。ここでは、筆者が実際に購入し読んでみて分かったことを紹介します。コミックで英語多読をする利点コミックで英語多読をすることには次のような利点があります。スイスイ読める印象に残っている台詞は英語でも覚えやすい英語の擬音が興味深いスイスイ読める子供向けの絵本ほどでは...

30分: 英語圏の人気記事が定期的に目に入るようにしよう

一冊の本を読み切るのにはそれなりの努力が必要ですが、ブログ記事をさっと1本読んで新しい情報を得るくらいならぐっと手軽になります。おすすめなのは、方法は何でも良いのですが、定期的に人気記事が流れてくる仕組みを用意しておくことです。いざ何か読もうとしても探すところから始めるとなると面倒だからです。例えば、MediumQuoraReddit にあらかじめ登録しておいて、人気記事や自分が興味を持っているトピックがメールで届くようにしておくなどです。英語圏で人気のある記事を定期的に読む習慣をつけることは、自分の英語力を伸ばすだけでなく、活用して生活に役立てる良い機会になります。

30分: 昼休みのランチタイムは海外ドラマを観ながら

ご飯を食べている間は手を使った作業ができませんが、目と耳は空いています。スマホで海外ドラマシリーズを楽しみながら、リスニング/リーディングを鍛えましょう。もしリスニングが不完全なら、英語字幕を表示しましょう。発音を確認しながらリーディングができる貴重な時間となります。少しでも聞き取れるなら、最初は字幕なしで観て、その後あらためて今度は英語字幕をつけて答え合わせをしながら視聴すると、聞き取れなかった部分について新たな発見があり勉強になります。可能なら、気に入ったフレーズを自分でも口にしてみると記憶に残って効果的です。個人的に、Netflix のコンテンツは英語字幕を提供しているものが多い印象です。

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楽しく続けられる仕組みを少しずつ

ちょっとした時間を英語環境に変えることで、英語に触れる時間/学習時間を増やす方法をいくつか紹介してきました。もちろん、どれだけ時間があっても集中力やその土台となる体力などが不足していては効率は上がりません。一日の終わりにくたくたなまま無理に学習するよりも、適度に休憩をとりながら、長く継続できるペースで続けたいものです。また、楽しさは継続するための重要な要素のひとつです。習慣にしようとしてることの楽しさよりも苦痛が増えてきたと感じたら、自分に合ったより良い方法を探してみる良い機会かもしれません。

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