英語版の漫画で多読をすることの利点と注意点 + おすすめタイトル6選

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日本の人気コミックの多くは英語にも翻訳されています。これらを英語多読に用いることはできるでしょうか? 漫画以外の書籍とは若干勝手が異なり、手放しでおすすめできるわけではありませんが、コミックにはコミックの利点もあります。ここでは、筆者が実際に購入し読んでみて分かったことを紹介します。

コミックで英語多読をする利点

コミックで英語多読をすることには次のような利点があります。

  • スイスイ読める
  • 印象に残っている台詞は英語でも覚えやすい
  • 英語の擬音が興味深い

スイスイ読める

子供向けの絵本ほどではありませんが、小説や実用書などと比べて圧倒的に楽に読めます。その理由としては、必然的にページ当たりの文字数が減ること、ストーリーを知っていれば知らない単語も何となく察しながら読めること、さらに、ストーリーを知らなくても絵で情報を補完できることが挙げられるでしょう。楽に読めるので、疲れてひたすら文字を追う気になれないようなときには漫画を読むといいのかもしれません。多読でよく言われるパンダ読みとしてもよさそうです。

印象に残っている台詞は英語でも覚えやすい

子供の頃に親しんだシリーズを久しぶりに読んだり、または最近感動した作品を英語で読みなおすことで、日本語で読んだときに印象的だったシーンの台詞を英語で読み直すことができます。やはりストーリーがあると英語も記憶に残りやすいです。

英語の擬音が興味深い

漫画に多い擬音は、ワンパンマンのようにしっかり翻訳されて描き直されているパターンとジョジョのように背景としてそのまま残っているパターンがあります。ジョジョの場合は元の擬音語の近くにルビがふられています。あまり見ない表現が多くて面白いですし、ある意味会話のスキルを豊かにしてくれそうです。

コミックで英語多読をする際の注意点

一方で、次のような注意点もあります。

  • 基本的に全て大文字、フォントも読みやすいとはいえない
  • 電子書籍の辞書機能は使えない
  • 英語ネイティブにとってその翻訳がどれほど自然なのかという点は気になる

基本的に全て大文字、フォントも読みやすいとはいえない

たまに海外ドラマの字幕にもありますが、コミックの英語は基本的に全て大文字です。これは個人的に一番の欠点だと思います。普段は小文字で認識している単語を大文字で読むと、どうしても読解のスピードが落ちてしまいます。これについては慣れでどうにかなるかもしれませんが、全て大文字になっていることには他の問題もあり、固有名詞が判別しづらいのです。また、コミックでよく使われている手書きっぽいフォント自体、あまり読みやすいものでもありません。とはいえフォントの問題は、個人差はあると思いますので一度試して自分の目で確認してみることをおすすめします。

電子書籍の辞書機能は使えない

比較的文字数が少ないこと、絵で情報を補完できるため致命的ではないかもしれません。

英語ネイティブにとってその翻訳がどれほど自然なのかという点は気になる

日本の漫画を翻訳する過程のなかには、単純な文の翻訳だけではなく、作品の世界観や日本の文化をいかに英語で表現するかという課題も常にあるのではないかと思います。そういった難しい課題に対する工夫を凝らした作品が、英語を自然に使いこなせるようになりたいという動機でする読書に果たしてうってつけなのかという点は、少し気になるところではあります。もう少し具体的に言うと、英語版コミックに書かれているフレーズを実生活でそのまま使うかどうかは注意が必要かもしれないと私は考えています。

日本でも読める英語版コミックタイトル

ここで紹介するタイトルは日本の Amazon や楽天などでも購入できます。英語版のコミックが自分に合っているか、購入前に試し読みなどで確認してみるといいでしょう。

One-Punch Man (ワンパンマン)

JoJo’s Bizarre Adventure (ジョジョの奇妙な冒険)

Delicious in Dungeon (ダンジョン飯)

Hunter x Hunter (ハンター×ハンター)

Fullmetal Alchemist (鋼の錬金術師)

A Bride’s Story (乙嫁語り)

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参考

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