back to square one – フレーズの意味と例文を Better Call Saul S2 から

フレーズ
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海外ドラマ Breaking Bad のスピンオフ作品である Better Call Saul (ベターコールソウル) シーズン2 で紹介したフレーズの中から、特に興味深いものに絞ってまとめました。各シーンの時間は Netflix でのおおよその再生時間です。ネタバレを含むかもしれないので、もしシーズン2を見終わっていない場合はご注意ください。引用の最初の (E2 26:19) のような括弧は、何話目の何分何秒あたりのセリフであるかを示しています。

end of story

(E3 26:19) All right. That’s it. We’re getting you and Kaylee out of this house. End of story.

何か意見を述べたり説明をして最後に付け足すこのフレーズ。話者にとって疑う余地や議論の余地、必要性がないくらい明らかであることを示すために使われます。このシーンでは、銃声を聞いたり弾痕を見つけて半ばパニックに陥っている Stacey に、Mike が引越しを提案する台詞の最後に使われています。引っ越そう、それで安心、問題は解決だよね? といった感じでしょうか。

golden boy

(E3 39:44) Golden boy.

“golden boy” や ”golden girl” はまだ若いうちに際立って成功している人のことや、周りから期待されている人のことを指します。

I’m all ears

(E4 10:00) I’m all ears.

たまに見かけるフレーズかもしれません。しっかり聴く準備ができている、という意味の比喩っぽいフレーズですね。

you bet

(E5 19:13) “Are we doing this or not?” “You bet.”

“you bet” で「いいとも」「もちろん」といった感じの肯定、同意、強調などを示すことができます。また、”You’re welcome” の意味でも使われます。「賭ける」という意味の bet が使われている面白い言い回しです。これは筆者の想像ですが、賭けない手はないくらい確実、とか、私に賭けて (頼って) くれていい、というようなイメージなのかもしれません。前者の解釈は Urban Dictionary でも見かけました。

on your plate

(E5 32:49) I’ll put Francis on that. You’ve got enough on your plate in Doc Review.

“have something on your plate” で、主語となる人物が対処しなければならない重要な仕事を持っていることを意味します。この例では、Howard が Kim に「君にはやらなくてはならない Doc Review が十分にあるだろ、だからこの仕事は Francis に頼むよ」と言って Kim を元のポジションには戻さないことを暗示していました。

can’t help oneself

(E5 40:51) My brother is not a bad person. He has a good heart. It’s just…he can’t help himself.

“someone can’t help oneself” で、主語となる人物が何かをするのを自分自身で止められないことを意味します。笑うのをこらえられない、嫌味を言わずにはいられない、悪事を働くことをやめられない。そういった事を表現できるフレーズです。

in the first place

(E7 31:31) “What should I do with this?” “Dump it on the side of the road. That’s where I got it in the first place.”
(E8 17:14) I mean, like, why were they even at HHM in the first place? Me.

“in the first place” で「そもそも」とか「まず」「もともと」といった意味になります。E7 では Davis & Main から cocobolo desk を持ち帰った Jimmy が、代わりに今まで使っていた事務机を捨てるよう Omar に頼んでいます。訳すと「道路脇にでも捨てておいてくれ。もともとそこで拾ったんだ」といった感じでしょうか。E8 では、Kim が Jimmy に「そもそも なぜ彼らはHHMに依頼したのか? 私がいたからよ。」といったことを言っています。

I’m (all) set

(E7 32:02) “Cucumber water for the road?” “I’m totally set. Thank you.”

“I’m (all) set” で必要なものはすべて揃っているので大丈夫、何もいりません、ということを相手に伝えられます。“I’m good” と似ていますね。ここでの台詞は totally が使われていますが all と共通する「全く」「すっかり」といった意味の副詞として見れば同じ意味と捉えられます。

make it through

(E8 20:27) I’m going to the meeting, and the lights stay on. Everyone keeps their phones. Everything stays, for lack of a better word, normal. I will make it through.

“make it through” で、困難や試練を耐え抜くまたは生き抜くといった表現ができます。EHS (電磁波過敏症) である Chuck が Howard に「私も会議へ行く。照明はつけていていいし、携帯電話も持っていていい、普通にしていてくれていい。やり遂げてみせるよ」といった事を言うシーンです。つまり、ここでの “I will make it through.” は困難な事を「耐え抜くぞ」「やり遂げるぞ」という意志を示すフレーズになります。

ちなみに、このシーンに登場しているもうひとつのフレーズ “for lack of a better word” は、適切な言葉が見つからないことを意味しています。「言葉が浮かばないけど」「何と言ったらいいのか分からないけど」といった感じでしょうか。

muddying the waters

(E9 9:14) You’re mistaken and, with all due respect, you’re muddying the waters here.

“muddy the waters” で無駄に混乱させたり明確さを損なわせたりすることで、問題をややこしくすることを指します。沼の底の泥をひっかき回して水を濁らせることを隠喩に使ったフレーズです。

back to square one

(E9 10:21) I’m being told by staff, they’ve already done the research for 1216 Rosella Drive. Our folks are going to have to go back to square one on the new address.

銀行の支店を開業するためにこれまでやってきた準備が、住所の番地を間違えるというたったひとつのささいなミスですべて台無しになってしまったときに登場したフレーズ。”(go) back to square one” で、ある試みが行き止まりや失敗によってふりだしに戻ることを意味します。何かを達成しようと努力してきたことの根底を覆すことが起きてしまって、また始めからやり直さなくてはならなくなったときに使えますね。由来は何でしょうか。”square one” は “Snakes and Ladders” というボードゲームの最初の位置を意味するそうです。すごろくでいう最初のマスのようなイメージですかね。

no time like the present

(E9 17:55) Sure. No time like the present.

“no time like the present” は今すぐに実行に移すべきだということを意味します。「今のような好機はない」といったところでしょうか。

all your i’s dotted and your t’s crossed

(E9 39:45) Going against him… you’d really wanna make sure you’ve got all your “i”‘s dotted… and your “t”‘s crossed. Nothing for him to find.

“dot the i’s and cross the t’s” で、細部まで注意を払って仕上げることを指します。筆記体で文を書いたあとは、すべての i にドットを足し t に棒を足してクロスさせて仕上げること (また、注意を怠るとそれが忘れられがちであること) がその語源です。このシーンでは、Jimmy が Kim から「(重罪に問われる悪事の) 証拠を残していないか」つまり、完璧に仕上げたかということを暗に問われています。

cut corners

(E9 24:27) I know he’s not perfect. And I know he cuts corners. But you’re the one who made him this way.

「彼は完璧ではないし、手抜きをすることもある。でも彼をそんな風にしたのはあなただ」という感じの台詞。”cut curners” で最も簡単で早い方法で目的を達成すること、つまり手を抜くことを意味します。元々このフレーズは、自動車の運転で急な曲り角をきちんと曲がらずに、途中でショートカットして横切ることから来ているそうです。

参考

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