たまに会話に出没する be used to や used to do は一見似ているため慣れないと混同しがちですが、それぞれ全く違う意味になります。誤解を恐れずに一言で言ってしまえば、前者は「慣れている」で後者は「〜したものだ」です。似ていて混同しがちなら、この機会にどちらも覚えて使いこなせるようになってしまいましょう。
慣れている: be used to / get used to
be used to something
で「…に慣れている」という状態を表現できます。「それをすることは新しいことでも変わったことでもない」というわけです。もちろん、否定のかたちにすれば「…に慣れていない」ということになります。
- I am used to this keyboard. (このキーボードに慣れてる)
- She was not used to running barefoot last year. (去年は裸足でのランニングに慣れてなかった)
上記の例のように、be used to
の後ろには 動詞ではなく名詞や動名詞 を置くことに注意しましょう。be used to
の to
は 前置詞でありto不定詞の一部ではありません。したがって、後ろに動詞の原形を続けるのは (一見よさそうに見えてしまうかもしれませんが) 間違いとなります。
get used to
be の代わりに get を用いた get used to something
で「…に慣れる」ということを表現できます。be used to something
によって「慣れている」という 状態 を表現できる一方で、get used to something
では「慣れる」という こと に注目しているというニュアンスがあるようです。
- You will soon get used to it. (すぐに慣れるさ)
- I got used to this keyboard. (このキーボードにも慣れた)
- She is getting used to running barefoot. (裸足でのランニングに慣れてきている)
Get と be の関係については、次の記事でも紹介しています:
したものだ: used to do
ではもう一方の “used” について見てみましょう。Use を動詞として使う used to do
を使うことによって「…したものだ」「…だったものだ」という文を作ることができます。 to
には一般動詞やbe動詞の原形が続きます。
- I used to play tennis when I was a high school student. (高校生のときはテニスをしていたものだ)
- There used to be an amusement park here. (ここにはアミューズメントパークがあった)
この used to do
/ used to be
は、現在はもうやっていないが過去にやっていたこと、現在はもうないが過去にあった物事を表現するときに使います。例えば、「(普段から/regularly) テニスをやっている」ということを文にするとき、それが現在のことなら現在形で “I play tennis.” と表現できますが、それが去年のことで現在はもうやっていないのであれば “I used to play tennis last year.” となるということです。
否定や疑問文では do/does ではなく did を使うことになり、過去形の used ではなく use となります。
- Did you use to play football? (フットボールしてたの?)
- I did not use to play any sport when I was young. (若い頃には何もスポーツはしてなかったよ)
used to do に似た用法に使える would
Will では表現できない would の役割と使い方 でも紹介しましたが、若干の違いはあるものの、 would も used to do
に似た表現に使うことができます。例を見てみましょう。
- Whenever I couldn’t sleep, I would drink some hot chocolate. (眠れないときはいつもホットチョコレートを飲んだ)
- My grandfather would often take me to the shore in the mornings. (おじいちゃんはよく朝に海岸へ連れて行ってくれた)
参考
- Grammar in Use Intermediate Student’s Book 3rd edition UNIT 17, UNIT 34, UNIT 59
- 一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 p.366