中学英語で登場する関係代名詞には who/which/that 以外にも色々あります。特に “the thing(s) that” を意味する what はネイティブの会話にも頻繁に出現します。ここでは代表的な関係詞 (wh修飾) の基本的な使い方といくつかの注意点を説明します。
ルールが異なる2種類の関係詞と who / which / that
まずは基本をおさらいしましょう。who / that は人を指示する関係代名詞、which / that は物事を示す関係代名詞として使うことができます。
- The girl who lives next door is an elementary school student. (who の代わりに that でも可)
- The robot that is working in your room is a kind of vacuum cleaner. (that の代わりに which でも可)
Grammar in Use Intermediate によると、物事を示す関係代名詞としては which よりも that を使うほうがより一般的とあります。
限定用法と継続用法 (制限方法と非制限用法)
関係代名詞を使うにあたっては、覚えておきたいいくつかのルールがあります。まず、that は基本的に物事と人物どちらにも使えると書きましたが、文法的に、that ではなく who / which を使わなければならない場面があります。さらに、関係詞は省略できる場合と、省略できない場合があります。
こういった制約の有無は、関係詞のタイプによって決まります。関係詞には次のような2つの種類があることを覚えているでしょうか。
- The girl who lives next door is an elementary school student. (限定用法)
- My cousin Alice, who lives in Albuquerque, is an elementary school student. (継続用法)
1は限定用法、2は継続用法と呼ばれます。それぞれの違いを確認してみましょう。前者(1)の who では「どの女の子のことなのか」を聞き手に説明しています。この文では who が “The girl” の意味を説明 していることに注目してください。一方、後者(2)での who は「Alice がどこに住んでいるか」という 補足的な情報 の働きをしているにすぎません。もう一度2つ目の例を見てみましょう。
- My cousin Alice, who lives in Albuquerque, is an elementary school student.
冒頭の “My cousin Alice” の時点で、聞き手は既に Alice が話し手のいとこであることを知っており、ここでの who は 「Alice とは何のことか」というような意味を説明しているわけではないことが分かります。
カンマのない前者(1)のような文を「限定用法」(または制限用法)、文にカンマが入っている後者(2)のような文を「継続用法」(または非制限用法) といいます。
用法毎の関係代名詞の使い分けと省略ルール
冒頭で述べたいくつかのルールは、これらの用法によって変わります。まず、継続用法では who / which の代わりに that を使うことができません。人を指示する場合は who、物事なら which を使う必要があります。つまり、最後の例の “who lives in Albuquerque” を “that lives in Albuquerque” とはできないということです。
さらに、継続用法では関係詞を省略できません。一方、限定用法で、かつ関係詞が主語ではなく目的語である場合は関係詞を省略できます。
- The girl who lives next door is an elementary school student. (限定用法だが関係詞は主語なので省略できない)
- The computer (which) I want to buy is too expensive. (限定用法でかつ関係詞は目的語なので省略できる)
これらのルールをまとめると以下になります。
- 限定用法: who/which の代わりに that を使え、関係詞は省略できることがある
- 継続用法: who/which の代わりに that は使えず、関係詞の省略もできない
関係代名詞と前置詞
関係代名詞が前置詞の目的語になっている場合は、前置詞を関係詞の手前に置くことができます。口語体では、前置詞を関係詞の手前ではなく元の場所に置くことが多いようです。
- He is the man who/whom/that I want to talk to.
- He is the man to whom I want to talk.
前置詞を関係詞節の手前に置く場合、つまり後者の例では関係詞に who を使うことはできないことに注意しましょう。
What は “the thing(s) that”
関係詞としての what は “the thing(s) that” で置き換えれば意味が分かりやすいでしょう。つまり、”the thing(s) that” で置き換えられるならば what が使えます。そのことを念頭に置いて what が使える場合とそうでない場合を比較してみましょう。
- Do not tell anyone what you saw.
- Forget everything that you saw. (ここで what は使えない)
後者(2)の例は “everything that” であって “the thing(s) that” ではないので what は使えません。
いろいろな関係詞: whose / whom / where / why
主に主語が人物のとき、関係詞が主語の所有物や関係する人やものを指示する所有格である場合には whose を使います。
- I saw a man whose umbrella was stolen. (傘を盗まれた男を見た)
関係詞 who が目的語のときは who の代わりに whom を使うことも可能です。
- The man whom I wanted to meet was not at the house. (私が会いたかったその男は家にいなかった)
Where は、人や物ではなく場所を指すときの関係詞です。
- The hotel where we stayed was far from downtown. (私たちが宿泊したホテルはダウンタウンから遠かった)
- It is prohibited to play with sparklers the in the town where I live. (私たちの住むその町で花火で遊ぶことは禁止されている)
Why は理由を指示する関係詞として使えます。
- I don’t know the reason why she calling someone such a midnight. (彼女がそんな真夜中に誰かに電話している理由が分からない)
時を指示する関係詞として that が使えます。この that は省略できます。
- Do you remember the day (that) you gave birth to her? (彼女を生んだ日を覚えてる?)
- The last time (that) I went abroad, I spent a lot of money. (最後に海外へ行ったときたくさんお金を使った)
参考
- Grammar in Use Intermediate Student’s Book 3rd edition UNIT 90, 91, 93
- 総合英語 Forest 7th edition p.298