主観から事実へ – 形容詞と副詞の位置と複数並べるときの順序

英文法
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名詞を修飾する形容詞、そして名詞以外を修飾する副詞。これらの品詞の起き場所に迷ったことはないでしょうか。英語では形容詞/副詞は場合によって置くべき位置が変わります。また、連続して複数の形容詞を並べる場合には、自然に感じられる順番のおおまかなルールがあります。

形容詞と副詞の位置関係

形容詞で名詞を修飾するときは、形容詞を名詞の手前に置きます。

  • He is a punctual person.

また、形容詞は名詞の前だけでなく、be動詞や look/feel/sound などの動詞の後ろにも置けます。以下の例はいわゆる SVO のかたちですね。

  • She looks pale.
  • He is rude.

一方、副詞は名詞以外の品詞を修飾します。副詞は動詞や形容詞の前後につけることができます。次のように、副詞は様々な場所で使われます。

位置
文頭/主語の手前 Unfortunately, there is nothing we can do.
主語と一般動詞の間 Robbin usually drinks after work.
Be動詞の後 Chuck is sometimes late for work.
助動詞の後 I could hardly breathe because of the asthma attack.
一般動詞の後または目的語の後 She speaks (French) fluently.
他の副詞の前 He reacts very quickly.
形容詞の前 She looks so happy.

副詞を文頭に置くことで、その副詞によって文全体への評価や態度を表わすことができます。

  • Unfortunately, there is no word to describe such a situation. (残念ながら…)
  • Honestly, I’m not sure why did she marry with me. (正直なところ…)
  • Apparently, I have got lost. (どうやら…)

通常、他動詞を後ろから形容するとき、副詞は目的語の後ろに置きます。ただし、目的語の部分がとても長い場合には動詞の直後に置くことも可能です。

  • Claire found a solution instantly.
  • Claire found instantly a solution to the difficult math problem.

複数の形容詞を並べるときの順序

White square table” のように形容詞を2つ以上並べて名詞を修飾することがありますが、並び順によっては不自然な文になってしまうことがあります。おおまかなルールではありますが、形容詞を並べる際にはまず話し手の主観/意見/感想を先に、その後に事実という順序で並べます。複数の形容詞を並べる際には、この 主観 => 事実 の並びを覚えておきましょう。

  • A beautiful round table. (“美しさ” はより主観に近く、”丸いかどうか” はおそらく誰が見ても同じ)
  • A tasty vegetable soup. (“おいしさ” はより主観に近く、”野菜かどうか” は誰が見てもだいたい同じ)

では、複数の事実を形容詞で表現したい場合にはどうでしょう。その場合は形容詞の性質に応じて次のような順番で並べます。番号が小さいほど位置が先に (手前に)、大きいほど後になります。

  1. 主観、意見、感想 (opinion)
  2. 大きさ (size)
  3. 物理的品質 (physical quality)
  4. 形 (shape)
  5. 古さ/新しさ (age)
  6. 色 (color)
  7. 出自/どこから来たか (origin)
  8. 素材/何でできているか (material)
  9. 種類 (type)
  10. 目的 (purpose)

言葉だけではイメージがわかないので、いくつか例を見てみましょう。

  • A small old brown wooden table. (大きさ => 古さ => 色 => 素材)
  • An old Japanese musical drama. (古さ => 出自)
  • A small thin piece of ivory. (大きさ => 品質)
  • A new all-purpose cleaning machine. (古さ => 種類 => 目的)

そういえば数量は? 「総合英語 Forest」によると、数量は上記のどれよりも手前、つまり主観よりも前に配置します。

  • My two beautiful round tables. (数 => 主観 => 事実)

複数の副詞を並べるときの順序

「一億人の英文法」によれば、副詞を並べるときの順序は、

様態 (物事の修飾) => 場所 => 時間

が基本です。また、場所や時間を2つ以上並べるときは、 狭い => 広い、という順番になります。粒度として捉えるなら 細かい => 粗い と考えてもいいかもしれません。

The couple argued bitterly in the restaurant last night.

(引用元: 一億人の英文法 p.254 副詞の重ね方)

この例では 様態 (bitterly) => 場所 (in the restaurant) => 時 (last night) の順で副詞が並んでいる様子が分かます。時や場所を2つ以上並べる例も見てみましょう。次の例では 細かい => 粗い という順番で時間が並んでいます。

  • The party will be held around 3 o’clock tomorrow. (時間 => 日)

位置によって意味が変わる形容詞

Certain をはじめとした一部の形容詞は、前につくか後につくかで別のことを意味することがあります。

  • I had to compromise to a certain extent. (ある 程度)
  • I’m certain he can remember the details. (確信 している)

こういった単語としては certain の他に次のようなものが挙げられます。

  • ill
  • late
  • old
  • present
  • right

参考

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