英語タイトルの大文字化 – 一般的なルール

英文法
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映画や小説、ブログ記事などをよく見ると、英文のタイトルは最初の語や固有名詞以外でも頭文字に大文字が使われていることに気付きます。タイトルの文章には、普通の文とは違うルールがあります。”title capitalization” “title case” のようなキーワードでウェブを検索してみると、そのルールはスタイルによって微妙に異なり、各スタイルに共通するルールと、スタイル毎に異なるルールがあることが分かります。ここではどのスタイルにも共通する、一般的なルールを主に解説します。

頭文字を大文字にする単語

一般的に、次のような単語の頭文字は大文字にします。

単語の種類
先頭の単語
末尾の単語
名詞 apple, curry, honey, tea, umbrella, zoo
形容詞 available, beautiful, cheeky, easy, few, tiny
動詞/助動詞 be, can, get, go, like, make, run, think
副詞 angrily, bitterly, cowardly, fluently, sometimes, well
代名詞 you, she, her, they, it, this
従属接続詞/従位接続詞 before, because, if, so, when, while

頭文字を大文字にしない単語

文頭に来ない限り、次のような単語の頭文字はタイトルでも常に小文字にします。

単語の種類
冠詞 a, an, the
等位接続詞 and, or, nor, but, yet, except
前置詞 in, on, of, at, from, by, to, for

ただしスタイルによっては、これら以外でも、5文字未満の短かい単語の頭文字は大文字にしないとするものもあります。

実際のタイトルの例と注意点

本や映画、楽曲などの具体的なタイトルで、ルールを確認してみましょう。

  • Anyone Can Play Guitar (Radiohead の楽曲)
  • Catch Me If You Can (映画のタイトル)
  • …I Care Because You Do (Aphex Twin のアルバム)
  • The Catcher in the Rye (J. D. Salinger の小説: ライ麦畑でつかまえて)
  • The Old Man and the Sea: (Ernest Hemingway の小説: 老人と海)
  • There’s a Boy in the Girls’ Bathroom (Louis Sachar の小説)
  • Let’s Call the Whole Thing Off (映画 Shall We Dance に登場する曲名)

“Anyone Can Play Guitar” は、頭から、 代名詞-助動詞-動詞-名詞 と続いていて、すべて大文字になっていますね。他の例をみると、冠詞である a や the、等位接続詞である and、前置詞である in は (先頭に来ないかぎり) すべて小文字となっていることが分かります。一方、従位接続詞である if や because は文頭に来なくても頭が大文字になっていますね。

最後の例 “Let’s Call the Whole Thing Off” には call something off という句動詞が含まれており、この場合の off は副詞として使われているため大文字で始まっています。しかし、off ならいつも大文字で始まるとは限りません。なぜかというと off は副詞だけではなく前置詞の役割を果たすこともあり、その場合はすべて小文字となるからです。たとえば次の例では off は前置詞として使われているため、先の例とは異なる結果になります。

  • She Gets off the Bus at This Stop Every Day

注意しなければならないのは、同じ単語でも品詞によって大文字化の対象かどうかは異なるということです。たとえば off/by/in/up などは、前置詞と副詞どちらにも使えます。副詞として使うのであれば頭文字を大文字にしますが、前置詞であれば全て小文字です。使おうとしている単語がどの品詞なのか判断がつかず自信がないときは、次のようなツールで確認してみると良いでしょう。

これらのツールを使うことで、Chicago、APA、Wikipedia など複数のスタイルで capitalizatoin した結果を確認できるという利点もあります。

見出しも Title Case にすべきか

タイトルだけでなく見出し (ヘッドライン) でも上記のような法則に従って大文字を使うべきなのでしょうか。実は、これもスタイルに依存するようです。見出しについては普通のセンテンスと同様に先頭の頭文字だけを大文字にする sentence case を使う場合と、見出しにもタイトルと同様に title case を使う場合があります。ヨーロッパ/アメリカのような地域の違いによっても、どちらに親しみを感じるかは異なってくるようです。同じ文をそれぞれ sentence case と title case にして並べてみましょう。

  • Capitalization rules for titles and headlines of articles (sentence case)
  • Capitalization Rules for Titles and Headlines of Articles (title case)

少なくとも、スタイルによって若干印象は変わってきますね。どちらを使うにせよ、全体を通してスタイルは統一したほうが良いでしょう。

全て大文字にするケース

本の表紙のタイトルや新聞の見出しなど、全ての文字を大文字にする場合もあります。All caps と呼ばれるこの表記法は、他にも様々な場面で強調のために用いられますが、一般的には可読性が低いとされていること、叫んでいるような強烈な印象を与えかねないことから、多用は控えた方が無難でしょう。コミックの台詞も全て大文字になっていたりしますが、個人的にも確かにあまり読みやすいとは感じられません。

Title Capitalization のおさらい

実際にいくつかの文を title case にしてみましょう。以下の見出しの文を title case にするとどうなるでしょうか? 解答例は「Title Case と解説を表示する」を押すことで表示されます。

Q1: do androids dream of electric sheep?

Title Case と解説を表示する

Title case: Do Androids Dream of Electric Sheep?
動詞 - 名詞 - 動詞 - 前置詞 - 形容詞 - 名詞 と並んでいます。前置詞である of 以外はみな頭文字が大文字となります。

Q2: there is love in you

Title Case と解説を表示する

Title case: There Is Love in You
Is のようなbe動詞も動詞ですので、多くのスタイルでは頭文字が大文字化されます。

Q3: is it wrong to try to pick up girls in a dungeon?

Title Case と解説を表示する

Title case: Is It Wrong to Try to Pick Up Girls in a Dungeon?
句動詞 pick up の up は副詞ですので、ここでは頭文字が大文字になっています。

参考

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