So や such はそれぞれ似た働きをする副詞と形容詞です。また、これらは「そのような」とか「とても」という一見全く関係のない2種類の意味で使われることがあります。ここではこれらの用法と使い分け方を見ていきましょう。
so と such に共通する2つの使い方
それぞれ、so は副詞、such は形容詞になっています。つまり、形容詞や副詞には so、名詞には such を使うと考えればいいでしょう。
- She is so beautiful. (とても美しい)
- She is such a good friend. (とても良い友達)
もちろん、such の後ろは “a good friend” というような名詞句でも問題ません。
「とても」: 強調に使う
So や such は「すごく」「とても」といった強調の意味で使われます。
- They were so kind to us. (とても親切)
- They are such nice friends. (とても素晴しい友達)
- It was such a great time. (とても楽しかった)
「so … that 構文」を覚えているでしょうか。同じような用法が such にも可能で、そのまま「such … that 構文」と呼ばれます。
- I was so tired (that) I could have slept for a week. (とても疲れていたので…)
- It was such nice weather (that) we took a walk in the woods. (とても良い天気だったので…)
ちなみに、上記どちらの構文でも that は省略できます。Grammar in Use によると普通は省略するもののようです。また、Forest によると口語では省略されることが多いとあります。少なくとも口語では普段から that を省略してしまって良さそうですね。
so 形容詞
の後ろには名詞を続けて so 形容詞 a/an 名詞
というかたちにもできます。名詞の手前には不定冠詞 (a/an) がつくことに注意しましょう。
- It was so strange a story that I couldn’t believe that. (とても奇妙な話だったので…)
「そのような」: “like this” として使う
So や such で「それほど」「そのような」といった “like this” 的な意味で使うこともあります。
- I didn’t bring my umbrella because I didn’t expect it to rain so heavily. (そんなに激しく降るとは…)
- I didn’t realize it was such an expensive stuff. (そんなに高価なものだとは…)
- No such file or directory. (そのようなファイルやディレクトリはありません)
So と such はそれぞれ、as と組み合わせて「…ほどではない」とか「例えば…」といった比較をする表現にも使えます。
- It isn’t so warm as yesterday. (昨日ほど暖かくない)
- He likes electronic gadgets, such as tablets and smartwatches. (例えばタブレットとかスマホとか)
また、so は同意を表わす表現にも使われます。
- “I’m scared of heights.” “So am I.” (私も怖い!)
いろいろな so/such
So はこれまでに挙げた他にも、さらにいろいろな使い方があります。
「…なので … だ」という接続詞としての so
事実の文の後に、その結果何なのかという文をつなげて「…なので … だ」という文をつくりたいとき、so を接続詞として使うことができます。
- They won’t listen to me, so I might as well stop talking. (聞いてくれないのでやめるしかない)
直前の文に対する「そう」としての so
ある文に対して、「私もそうだ」「私もそう思う」といったことを言いたいとき、so を「そのような」「そう」というように前の文の内容を指す意味で使えます。
- “I’m tired.” “So am I.” (私も疲れた)
- “I love it.” “So do I.” (私も大好き)
- “She should be promoted. She deserves it.” “I don’t think so.” (私はそうは思わない)
so that / so as to do で「…するために/するように」を説明する
ある文の後に so that
で「…するように」と目的や理由、動機を説明する節を続けることができます。この場合の that も省略可能です。so that
を使った文は有名な単語帳である DUO にも登場しますね。やったことのある人なら次の例文を覚えているかもしれません。ここでも that は省略されています。
Tighten the lid so the food doesn’t go bad.
(引用元: DUO 3.0)
このような目的を説明する方法としては so as to do
というかたちの文もあります。to do
にはto不定詞が入ます。つまり、こちらは so that
のように節 (動詞を含むフレーズ) を続けることはできません。
- We’d better go to office early tomorrow so as to avoid heavy traffic.
so-so
良くも悪くもない中間くらい、まずまず、まあまあ、を表現する形容詞/副詞として使われます。
- “How’s it going?” “So so.” (“調子どう?” “まあまあ”)
so … as to do
So を使った「〜するほど … だ」という表現が使われることがあります。総合英語 Forest によると、これはややかための表現だそうです。
She was so kind as to carry my baggage.
(引用元: 総合英語 Forest 7th edition)
not so … as
比較原級 (as … as) の否定形では、通常 not as ... as
と頭に not を付けるかたちになりますが、not so ... as
とすることでも同じ意味になります。ただしこれは現代では古い表現で、どちらかというと否定文でも not as ... as
を使うことの方が一般的なようです。
- My sister is not so tall as me. (私ほど身長が高くない)
So と一緒によく使われる as の詳しい用法については、次の記事で紹介しています。
参考
- Grammar in Use Intermediate Student’s Book 3rd edition UNIT 100, 104, 114
- 一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 p.269, p.270
- 総合英語 Forest 7th edition p.196, p.490, p.603, p.604
- DUO 3.0 492
- https://dictionary.cambridge.org/us/grammar/british-grammar/as-as
- https://ell.stackexchange.com/questions/13697/as-as-or-so-as-for-comparison
- https://www.merriam-webster.com/dictionary/so-so