英文に含まれるコロンやセミコロン、ダッシュのような記号の意味

英文法
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たまに英語の文章の中にセミコロン (;) を見かけることがあります。例えば、長い文章を一言でまとめる際によく使われる TL;DR (too long; didn’t read)。真ん中のセミコロンには何の意味があるのでしょう。他にもコロン (:) やダッシュ (—) も見かけることがあります。こういった記号にはそれぞれどういった機能があるのでしょうか。文中に登場するこれら記号の意味・使い方を把握して、英文の読解力、そして表現力を強化しましょう。

コロン

ある文の末尾にコロン (:) をつけることで、その後ろに、より詳しい説明や言い換え、具体例の提示などを続けることができます。コロン1文字で「これから前の文の説明をしますよ」という意味のことを表現できるというわけです。コロンの後ろには、例えば次のようなものが続きます。

  • コロンの前の文を説明する文やフレーズ
  • 具体例の単語や単語のリスト
  • 引用

コロンの前の文を説明する文やフレーズ

独立した文やフレーズを使って、コロンの前の文を説明したり、言い換えたりできます。

  • I am sure of one thing: anyone can play guitar.
  • I have one goal: to win the Akutagawa Prize.
  • The first rule of Fight Club: You do not talk about Fight Club.

最後の例ではコロンの後が大文字で始まっていますね。このように、コロンの後ろが完全な文である場合、特にアメリカ英語では通常の文のように大文字で始めることがあります。スタイルによって微妙にルールが異なったりします。

単語や単語のリスト

コロンの後ろに単語や単語のリストを続け、前の文が指すものを具体的に示すことができます。このように物事を列挙する場合、固有名詞などもともと大文字で始まるものを除き、コロンの後ろは小文字から始めます。

  • We have to learn a lot of things: reading, writing, speaking, and listening.
  • I can speak a couple of languages: English, French, and Spanish.

引用

ある文を引用して示すときに、紹介文: "引用文" というかたちでコロンを使います。

  • She sings: “And you don’t seem to understand…”

セミコロン

セミコロン (;) は文や単語を区切る用途、具体的には次のような場面で使われます。

  • 互いに関連する2つの文を区切る
  • カンマの代わりとして使う

互いに関連する2つの文を区切る

2つの文をセミコロンでつなぐことで、互いに独立してはいるものの密接に関連し合っている2つの文の関係性を、等位接続詞 (例: and/or/but) を使わずに表現できます。この場合も、後ろの文は (独立した文とは違って) 大文字で始めるわけではないことに注意しましょう。セミコロンの代わりに and などの接続詞を使った場合と同じですね。

  • Call me later; I will pick you up.
  • Chuck Norris’ calendar goes straight from March 31st to April 2nd; no one fools Chuck Norris.

セミコロンは namely / however / therefore / for example / e.g. などの語句で始まる文の前にも置けます。

  • Call me later; however, my phone’s battery is dying.

カンマの代わりとして使う

物事を列挙するために普通はカンマ (,) で区切ります。では、もしカンマつきのフレーズを列挙したい場合はどうでしょうか。カンマで区切ってしまうと、どれか区切りなのか判別できませんね。そういった場合にはセミコロンで区切ることができます。

  • I ate sweet, ripe peaches; juicy, large mangos; and fresh, red pomegranates.

コロンとセミコロンの使い分け

コロンは1つ目の文の説明を続ける用途に使います。正しく使えているか不安なときは、コロンを “Here’s what I mean” や “that is to say” などで置き換えて読んだときに違和感がないかを確かめてみましょう。セミコロンは2つの独立した文をつなげる接続詞のような用途に使います。セミコロンでは、文として成り立たないフレーズをつなげることはできません。一方、コロンの後半には文だけでなくフレーズを置くこともできました。

ダッシュ

ダッシュ (—や–) は次のような使い方ができます。

  • カンマやパーレン (丸括弧)、コロンの代わりに使い、文の構成要素の一部を強調する
  • 台詞の途切れを示す

ちなみに、ダッシュの前後に空白を入れるかどうかはスタイルによって変わるようです。

文の構成要素の一部を強調する

カンマやパーレン、コロンの代わりにダッシュを使うことで、その部分を強調できます。控えめな補足を囲むのに使われるパーレンとは対照的ですね。強調する部分が文の末尾である場合は、先頭にだけダッシュを付けます。

  • The chores — dusting, sweeping, and washing dishes — must be completed by the evening. (カンマの代わりに)
  • The people in the park — all 128 of them — began to dance all at once. (パーレン/丸括弧の代わりに)
  • I am sure of one thing — anyone can play guitar. (コロンの代わりに)

台詞の途切れを示す

ある人物の台詞が他の人物にさえぎられるときのような、言葉が途切れる様子を示せます。また、ダッシュをふたつ並べることで、ノイズだらけで聞き取りづらい音声のような、言葉の途切れを表現できます。

  • “Your destiny is already written. You—” “No! Destiny is a book you write yourself.”
  • “And you ——t seem to un——d.”

ところでダッシュに似た記号としてハイフンがありますが、それぞれ異なる用途があります。ハイフンは “well-known” とか “win-win” のように単語をつなぐのによく使われますね。詳しくは ハイフンで単語をつなぐ意味とルール で説明しています。

クォート

台詞や引用、ときに強調に用いられるクォート (“や’) は馴染みのある記号ですね。ところで、たまに閉じられていないクォートを見かけることはないでしょうか? たとえば英語の小説を読んでいると、ある段落で開いたクォートが同じ段落で閉じられずに終わっているということがあったりします。なんだか誤植のようにも見えてしまいますが、実はクォートの使い方として「複数段落にまたがるクォートは最後の段落で閉じる」というルールがあります。

では実際の例をひとつ見てみましょう。以下はある小説の中での記者会見シーンの抜粋です。話し手の台詞が5つの段落にまたがっており、クォートが途中の段落では閉じられておらず、最後の段落で閉じられていることが分かります。

A small chuckle cascaded through the room.
Yesterday, at our request, the entire SETI network focused on Mars. Just in case Watney was sending a weak radio signal. Turns out he wasn’t, but it shows the level of commitment everyone has toward helping us. ←閉じてない
“The public is engaged, and we will do our best to keep everyone informed. I’ve recently learned CNN will be dedicating a half-hour segment every weekday to reporting on just this issue. We will assign several members of our media relations team to that program, so the public can get the latest information as fast as possible. ←閉じてない
“We have adjusted the orbits of three satellites to get more view time on the Ares 3 site and hope to catch an image of Mark outside soon. If we can see him outside, we will be able to draw conclusions on his physical health based on stance and activities. ←閉じてない
“The questions are many: How long can he last? How much food does he have? Can Ares 4 rescue him? How will we talk to him? The answers to these questions are not what we want to hear. ←閉じてない
“I can’t promise we’ll succeed in rescuing him, but I can promise this: The entire focus of NASA will be to bring Mark Watney home. This will be our overriding and singular obsession until he is either back on Earth or confirmed dead on Mars. ←閉じてる

(引用元: The Martian)

ところで、クォートにはシングルクォート (‘) とダブルクォート (“) がありますが、一体どちらを使えば良いのでしょうか? 少し調べたところによると、これらの使い分けに絶対のルールは無く、どちらを使うかは書き手のスタイルに委ねられています。傾向として、アメリカではダブルクォートが好まれる一方、イギリスではどちらも使われているようです。

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参考

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