現在/過去/進行形 – 完了形の基本をまとめて一気に押さえる

完了形を使うことによって時間の幅、過去のある地点からの流れを表現できます。現在形や過去形と比べて少しだけ複雑ですが、あらゆる場面で頻出する表現なので、それぞれの違いや使い方は是非押さえておきたいものです。完了形のさまざまな使い方を実際の例をまじえつつまとめました。

現在完了形

現在完了形の文が対象とする時間は過去から現在までの幅です。生まれてから現在まで、1週間前から今日まで、今年ずっと、今日、最近、などさまざまです。

• I have never played golf.
• Have you ever been to Canada?

完了形は過去形と同じかたちであることが多いのですが、do は done、be は been であったりと、よく使う単語には例外が多い傾向があります。このような不規則動詞の例を記事の最後にいくつか挙げますので参考にしてくださいは。

過去形と現在完了形との比較

ところで、現在完了形と過去形とでは時間的に重なることがありうるのでどちらを使っても間違いではない場合があります。たとえば、「彼はここにいる?」という質問に対して「彼は出かけた」と答えるとき、以下のどちらもありえるでしょう。

• “Is he here?” “He‘s gone out.” (He’s = He has)
• “Is he here?” “He went out.”

もちろん、どちらかしか使えない場合もあります。現在完了形は現在まで続いていることを説明する文なので、かつてそうであった (今はそうではない) ことや故人の説明には使えません。その場合は過去形を使います。

• My father grew up in Taiwan.
• Albert Einstein was a theoretical physicist.

このように、過去のある時点で起こったことや終わったことを言うときには現在完了形は使わません。したがって When や What time などで始まる文では単に過去形を使うことになります。

• When did her get there?
• What time did you finish your homework?

次のような場合、today についての文ならば現在完了形を使える一方、yesterday についての文ならば過去形になります。

• I finished lots of work yesterday.
• I have finished lots of work today.

just / already / yet には何の意味があるか

現在完了形と過去形どちらの文にも、意味を補うために just/already/yet を一緒に使えます。それぞれ次のような意味合いでした。

これらを使った例文を、それぞれ過去形と現在完了形で比較してみましょう。

• “I just had dinner.” vs “I’ve just had dinner.”
• “I already sent it.” vs “I’ve already sent it.”
• “Did you finished your homework yet?” vs “Have you finished your homework yet?”
• “I didn’t sent it yet.” vs “I haven’t sent it yet.”

現在完了進行形

現在完了進行形によって、過去のある時点から最近まで起きていること、現在も起きていることを表現できます。現在はもう続いていない場合でも「ちょっと前」までは続いていたことにも使えることに注目しましょう。

• She‘s been watching TV. (テレビ見てる)
• He‘s been learning English for 5 years. (もう5年間やってる)
• “Why is she out of breath?” “She‘s been running.” (さっきまで走ってたから)

現在完了形と現在完了進行形を比べてみましょう。何に着目するのかという点で両者は異なります。現在完了進行形はそのアクティビティ自体に着目した表現であるのに対し、現在完了は物事が起きたということ自体に着目した表現と言えます。

• He has been building the house. (建てている)
• He has built the house. (建てた)

また、物事を「how much/many: どれくらいの度合いやっているか」を表現するには、現在完了形を使います。一方、物事を「how long: どれくらい長くやっているか」を表現するには、現在完了進行形を使います。

• I haven’t learned English very much yet.
• How long have you been learning English?

もちろん、上記のような “how long” を尋ねるような疑問文では単なる完了形も使えます。が、どちらかというと現在完了進行形の方がより一般的 (common) なのだそうです。ただし、ふつう進行形に使わないいくつかの動詞 (know, like, believe など) では現在完了形を使うことに注意しましょう。そういった動詞については、記事の最後に例を挙げています。

• They’ve known each other for 3 years. (knowing ではない)

“always” で修飾する場合、現在完了進行形ではなく現在完了形を使います。

• I have always lived in this town. (been living ではない)

「やってない」ことを説明する場合、次のように現在完了進行形ではなく現在完了形を使う方が適切な場合があります。

• I haven’t seen her for 2 weeks.
• I haven’t played chess for ages.

since / for / in で時間を表現する

完了形で期間の幅を示すには、since、for、in などを用います。現在からの相対位置であらわすには for 、過去の絶対的な位置であらわすには since を用います。つまり、”How long …?” のような疑問文には for や since などで答えます。また、否定文では for の代わりに in を使えます。

• He has been learning English for 5 years.
• He has been learning English since 2008.
• I haven’t seen her in 2 weeks. (for 2 weeks でも良い)

“It’s been …” で、ある時点からの経過時間に着目した表現ができます。

• It’s been two years since she passed away.
• It’s been ages since the last time we went on a date.

過去完了形と過去完了進行形

過去完了形はその名前の通り、現在完了形での “現在” が過去になった文です。対象となる時間は、過去のある時点からそれより未来の (ただし現在より過去の) ある時点までです。

• I was not hungry. I had just had lunch. (食べたばっかりで…)
• I did not meet her because she had already left. (既に去ってた)

過去完了形に対しても進行形があります。過去完了進行形によって、過去のある時点からそれより未来の過去のある時点まで起きていたことを進行形で表現できます。

• Emily was out of breath because she‘d been running. (she’d = she had)

単純な進行形や現在完了進行形と同様、ふつうは使わない動詞があることに注意しましょう。

基本的に進行形を使わない動詞

• believe
• belong
• consist
• contain
• fit
• hate
• know
• like
• love
• mean
• need
• prefer
• realize
• remember
• seem
• suppose
• understand
• want

不規則動詞の例

参考

• Grammar in Use Intermediate Student’s Book 3rd edition UNIT 4, UNIT 7, UNIT 8, UNIT 9, UNIT 10, UNIT 11, UNIT 12, UNIT 13, UNIT 14, UNIT 15
• https://forum.wordreference.com/threads/i-havent-seen-havent-been-seeing-george-for-two-days.2092483/